2.水曜日の鞭|Not used to Love

『もうすぐ終わるから。いいコで待ってて』

会社の休憩室。
莉南子からのメールに詩乃は溜息を吐いた。
水曜はノー残業デーなのに、莉南子の部署は平気で残業をする。

「詩乃ちゃん、また莉南子さん待ち?」

二回目の溜息を吐いた詩乃に、同じ部署の男性社員が声をかけてきた。
同居は周知の事実だから、詮索も少なくない。
詩乃はそっと身構えた。

「はい。残業みたいです」

「二階は忙しいから。てか、二人、本当に仲いいね」

ほら来た、と思いながら詩乃は薄く笑った。

「莉南子さん、面倒見いいから甘えちゃうんですよ」

関係を隠すためじゃなく、面倒を避けるために言わない。
莉南子との約束。

「あ、これ見てくださいよ。可愛くないですか」

詩乃は話を変えるために、自分のスマホを男性社員に差し出した。

「コンビニの猫?」

体の距離が近くなるが、詩乃はなんとも思わない。

「詩乃、ごめん。遅くなって」

莉南子が来たのは、二人がスマホを覗いている時だった。

「平気ですよ。ノザキさんが構ってくれたし」

詩乃はにこりと男性社員に微笑んだ。
周りの判断を濁すために。

家路を辿る電車。
いつもと違って、今日は無言が続く。

詩乃は莉南子の不機嫌を察した。
不安と同時に淫らな期待が湧き上がる。

「男に色目を使う悪いコには、お仕置きが必要だね」

1LDKの部屋に帰り着き、やっと莉南子が口を開いた。

「ベッドに手をつきなさい」

「はい……」

従順を強いられ、詩乃の瞳と内側が潤んだ。
ピンクの乗馬鞭を持つ手が見え、詩乃の呼吸は乱れる。

「濡れてる。本当に詩乃は悪いコだね」

乱暴に服と下着を剥いだ莉南子が、期待に濡れた恥花を弄んだ。

「…ごめん、なさい」

「他に謝ることあるよね」

「ひあっ!」

ぴしっと音が鳴り、柔丘に鞭が当たった。
鋭い痛みを詩乃の体は快感として受け入れる。

「あぁ…職場の人に、色目を使ってごめんなさっ…」

謝っても、鞭は止まらない。

「詩乃は誰のもの?」

「ぅ、あ、莉南子のものですぅ…」

詩乃は被虐の悦楽に沈んだ。

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