夏夜の茶会(1)|避暑計画

「夏休み?」

「八月の上旬よ。予定はあって?」

夕食後の団欒時間。瑠璃のベッドにのんびりと寝転がっていたひよりは、頭の中でスケジュール帳を捲る。

夏休み、完全寮制を貫いている私立花ノ宮女学園では、一部の申し出のあった生徒を除き、ほとんどの生徒が親元へ帰される。
長期休暇は、普段この閉鎖空間という箱庭に生きている少女たちが外界に触れる数少ない機会の一つである。
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夏夜の茶会(2)|二人歩き

瑠璃の部屋は、二年生寮の一番奥だ。

同学年ならば部屋内部のつくりに大差はないのだけれど、一応、奥へ行けば行くほどにその生徒の格のようなものは上がる印象にある。

藤ノ条というお家柄と生徒会役員という立場などが、瑠璃にその場所を与えている。

対して、ひよりの部屋は一番手前にあった。
狛桐の名とつりあわないそれは、編入手続きの都合上そうなったのだろうというのが生徒たちの見かたで、ひより自身、下っ端雑用でも生徒会役員になった以上、来年はそこそこ奥の部屋を与えられそうだと思っている。

それが嬉しいかと言われれば、微妙。
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夏夜の茶会(3)|砂糖菓子

一学期の終業式はつつがなく終わった。

成績表は直接自宅へ送付されるそうで、渡されるものはない。

事故に遭わないように、己を貶めるようなことをしないようにという学園長先生からのお話があったくらいで、特別なことはなにもなかった。宿題すら、ないに等しい。

各教科それぞれ、復習をしておきなさいと言われただけ。

「楽だね」

ひよりが言うと、塚本さんはくすりと笑った。
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夏夜の茶会(5)|令嬢たち

「夏休みはどう?」

ひとしきり再会の抱擁を交わした少女たちは、
木陰のテラスへ移動してティータイムを楽しんでいた。

「どうもこうもないよお」

自家製のティーシロップを炭酸で割った、
濃いオレンジ色のティーソーダ。

沈められたミントの葉、添えられたレモンのスライス。

さっぱりとした飲み口のそれは、
暑気払いにはもってこいだ。

くぴりと飲んで、息を吐く。
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夏夜の茶会(6)|お着替え

年かさのお手伝いさんの作ってくれた絶品の夕食を食べ終え、
ハーブポプリの浮いたお風呂から上がると、
瑠璃はひよりを自室へと誘った。

「いいものを用意してあるのよ」

「いいもの?」

「ひよりに似合うんじゃないかと思って」

ひよりをベッドに座らせて瑠璃はクロゼットをあさる。

ほどなくして取り出されたのは
光沢のあるクリーム色のベビードールだった。
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夏夜の茶会(10)|帰る場所

ひよりは瑠璃の淹れてくれた
ハーブティーを飲みながら、一息ついていた。

あの後、押し付けられたスマートワンドとかいう
マッサージャーを使われて一回、
その後トランペッターの持ち手部分、
太いヘッドを挿入されて、またスマートワンドも使われて一回。

もう、三度目からは記憶がない。
ただ、瑠璃に好き勝手にされたというのは分かっている。
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夏夜の茶会(9)|敏感な体

「あぁっあ、あ、るり、ぃ」

小さな舌が、ひよりの花びらを舐め上げる。
肉芽をつつかれて舌先で弾かれて、膝が揺れる。

そこに触れられて分かった。
欲しているのは、もっと内側。
なかの、ひよりの好きな場所。

「おねがい、もう……っ」

「ええ、いいわ」

瑠璃は疼く粘膜に息を吹きかけると、
ベッドサイドから濃いピンク色のおもちゃを取り出した。
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