25.闇に夜

暗い部屋の中で、
美耶は膝を抱えて泣いていた。

もうなにも考えたくない。
なにも考えられない。

二度目の母親の死を、
初恋の人のを経験して、
美耶の思考はついに止まってしまった。
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終夏 25

そこまで書き終えて、美耶は机に突っ伏した。
手が震えていた。

書き終えたことへの安堵、書き終えてしまったことへの罪悪感が胸にわだかまる。

あの夜から三日が経っていた。
美耶が自分が女性しか愛せないと気付いた夜から。
雛子への想いに気付いた夜から。
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友達以上には思えない 13

結果から言うと、美耶と一哉は一度付き合い、やがて別れた。
なんとなく居心地がよくて付き合うことにOKしたのだが、結局一哉への感情が友情から変化することはなかったのである。

そしてなにより重大だったのが、美耶がどうしても一哉に自分を触れさせることを許可出来なかったという事実だった。

手を繋ぐくらいならなんとか出来た。
けれどそれ以上がどうしても無理だった。

それが当たり前の本能であるかのように、美耶は一哉からのキスを拒絶してしまった。

一度くらいなら照れたという理由で納得できるが、それが何度も繰り返されると、やがて一哉が諦めた。
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