驟雨の隙間 (7)|ヤキモチ

このごろ、瑠璃のご機嫌が滅法悪かった。

とは言ってもクラスメイトのまえでは上手い具合に隠していて、特に異常はないのだ。
だが、ひよりの前でだけは素に戻るのだろうか、不機嫌を隠す素振りさえ見せない。

なにかに怒っているというよりは、なにかが気に入らないといった雰囲気だ。

「瑠璃、どうかした?」

「いいえ、べつに」

万事そのようなやり取りしか行えないのである。
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驟雨の隙間 (1)|秘書とは

shuu1「ねえ、わたくしの秘書になって頂戴」
少し高慢な、女王様然とした口調で彼女――藤ノ条瑠璃はそう言った。
聖母と慕われているはずの学年一の美女の、本性がそれだ。

 

クラスメイトが聞いたら腰を抜かすであろう口調に、しかしひよりは慣れたものと言わんばかりに読んでいた漫画を閉じた。
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