今日のメニューは 4

「雛子さん、今日のメニューはなんですか」
ココアの甘い香りを嗅ぎながら、美耶は女店主を仰ぎ見た。

ベーカリーを営む雛子は、12月に入って料理教室を始めた。近所の主婦を集めた小さな教室だけれど、それなりに盛況しているようだ。これも美耶のおかげだと雛子は笑う。

客の多い夕方から店に出ている美耶がいるおかげで、彼女は教室を開けるのだと言うのだ。けれど美耶は、感謝される必要はないと感じている。だって、美耶がいたくてここにいるのだから。
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