7. 恋は無知

0423furuetenemure7日菜子はしあわせだった。

人より少しだけ恵まれた体型、容姿、
仕事はやりがいがあり、
給料だって少なくない。

マンションは駅前の3LDK。都心からは少し離れているけれど、快速の停まる駅周辺は十分に栄えていて、なんでも手に入る。

家に帰れば可愛い恋人がいて、
彼女を愛し、彼女に愛されている。

それらの一部は、他人には自慢できない。
けれど日菜子のしあわせはそんなことでは揺るがない。

そこはいわば日菜子と美耶の箱庭だ。
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5. 雫が絡む

bian0327少し差し込んで、抜いて、
差し込んで、また抜く。

潤んだ場所は日菜子の指を咥えこみ、滑らかに蠕動を始める。

美耶は唇を噛み締めて、
その隙間から震える息を吐き出した。

紅く染まった頬、
悩ましげに顰められた眉、
そんなものが愛しくて可愛くてたまらない。
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いつも一人なので 6

のんびり紅茶を飲みながらキャラメルスコーンをつまんでいると、店の呼び鈴が鳴る。素早く立ち上がった雛子が出て行き、数分後には、訪問者と一緒に談笑しながら帰ってきた。

壮年の男性。ストライプの入ったスーツと、豊かな黒髪。ふちなしのメガネの奥の眼差しは到って優しい。笑うと目元に皺が寄って整った顔と柔和な雰囲気で、四十に差し掛かろうとしている現在でも女性に人気があるというけれど、本当だろうか。
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