21.少女の話

【少女には母親がなかった。
父親と二人、裕福でもなく、
貧乏でもなく、
ごくごく普通に暮らしていた。】

物語は、「少女」の生い立ちから始まっていた。

幼い時分に母親を亡くし、
父親に男手ひとつで育てられたこと。

八分の三が日本人でないという事実、

一人だけ毛色の違う子ども時代は
随分酷く苛められたということ。
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5. 雫が絡む

bian0327少し差し込んで、抜いて、
差し込んで、また抜く。

潤んだ場所は日菜子の指を咥えこみ、滑らかに蠕動を始める。

美耶は唇を噛み締めて、
その隙間から震える息を吐き出した。

紅く染まった頬、
悩ましげに顰められた眉、
そんなものが愛しくて可愛くてたまらない。
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終夏 25

そこまで書き終えて、美耶は机に突っ伏した。
手が震えていた。

書き終えたことへの安堵、書き終えてしまったことへの罪悪感が胸にわだかまる。

あの夜から三日が経っていた。
美耶が自分が女性しか愛せないと気付いた夜から。
雛子への想いに気付いた夜から。
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