帝国(8)|なま殺し

「力ずくって意味、色々考えたのだけれど」

黒い羽根の束のようなものをゆっくりと振りながら、瑠璃は言う。まるで羽根扇のようなそれで、一体今度はなにをするというのか。

「要するにあれよね。わたくしが、ひよりに飽きられないように色々と趣向を凝らし、体を繋ぎとめればいいのよね」
「なんでそうなったの! 不純!」
「あら、もともとわたくしたちは不純な関係じゃない」

それを言われるとなにも言い返せません。

「これはLELOのタントラよ。綺麗よね、くすぐるためにあるのよ」
「な、なにを?」
「あら、分かってるくせに」

瑠璃はそれを持ち替えると、羽根の先端でひよりの首筋を撫でた。
「はあっちょっ、くすぐったいっ」
「まだ、そうかもね」

こしょこしょと擽られて、ひよりは体を粟立たせる。我慢できないほどでもないが、快のような不快のようなものが体の中を駆け巡るのは、好きではない。
「アッ」

不意に乳首を撫でられて、背筋が反った。頭上で手錠の鎖が音を立てたが、手が抜けるわけもない。

「おまたにはこれ挟んでなさいな。貴女の好きなピコボンのホニよ」
「ああんっ」

濃いピンク色のローターを脚の間に押し付けられて、ひよりは喘いだ。力強く振動するそれを小陰唇と大陰唇で包むようにして、そこに放置する。乳首を羽根で擽られるぞわぞわする快感と、溢れ出る愛液によってぬるぬると動いてしまうローターに翻弄されながら、ひよりはこの行為に意識を沈めていく。

「やあ、あ、あっ」
「ひより」
「おねが、るり、っ……あてて、した、あててっ」

懇願すると、瑠璃はまたいやらしく笑う。挟んでいるだけのローターでは、ひよりの気持ちいい場所を上手く刺激することができない。もっと強く当ててほしい。ひよりは明確な快感がほしい。

「お願い、瑠璃」
脚を開いて、ひよりは瑠璃に懇願した。
「しようがないわねえ」

ふっと息を吐き、瑠璃はローターをひよりの秘部に宛がう。そのまま肉芽を刺激してくれるものだと思っていたのに、瑠璃はそれの先端を、口を開きつつあった粘膜へ押し付けた。
「あ……あぁ……はいって、くるっ」

それなりの大きさのあるローターが、ひよりの胎内を分け入ってくる。一定の場所まで入ると、後は締め付けによってにゅるんっと入ってきた。その感覚がたまらなくてひよりは息を吐いた。

力強い振動が体内を駆け上がる。同時に羽根扇を使われて、気持ちのいい場所にどうしても届かないじれったさに、皮膚が痙攣した。

驟雨の隙間 (9)|なめねこ

もはや見慣れた白いローターで絶頂を迎えたひよりは、けだるい体をベッドに横たえた。
前面から絡み付いていた瑠璃も、そのままくっついてくる。

「グゥ」

少女の重さに、声が出た。

いくら瑠璃が細いとは言っても、さすがにひよりには支えきれない。

「るーり」

「う、うー!」

優しく名前を読んであげると、瑠璃はむずがるように首を振って唸り声を上げた。

ひよりに正面から抱きついたままの体勢で、あまりない胸に顔を埋める。

「うーうーうー!」

ひとしきり唸ったあと、彼女はがばっと顔を上げて、ひよりから体を離す。
座り込んだかと思えば、乱れた髪を素早く整えた。

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18.雨も降る

静まり始めた世界の中で、
あえかな悲鳴だけが命の灯火を示す。

燃え上がる激情のような、
命の熾火を掻き立てる行為。

それは、けれどどうあっても次の生へ繋がらない。

彼女らの行為にはなんの命も宿らない。

それでも、知っていてもなお、
止められないことが世の中にはある。
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陵辱の夜 22

たっぷり三十分近くかけて、雛子を失禁寸前まで追い込んでから、美耶はやっとそこから指を抜き取った。
垂らしたローションは花びらの外側にも内側にも満遍なく塗りこまれており、いまや雛子のそこは流水に落ちた椿の風情を漂わせていた。

もはや膝を立てる力もないのか、雛子は脚を大きく広げたままぼんやりと宙を見りる。
頬にはまだ涙の流れた跡が光り、だらしなく弛緩しきった体は時折思い出したように痙攣した。

哀れにも思える惨状に、けれど美耶はにっこりと笑う。
「もうとろっとろだもんね。そろそろ入れてもいいよね」
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落花の堕落 20

捧げ持ったバイブに怯えた雛子の膝小僧にキスをして、脚を開かせる。

そういえば録音した音声の中に、こういったものを使っているようなやりとりや気配はなかったから、普段は使わないのだろう。
もしかしたら、使ったことすらないのかもしれない。

(雛子さんの、おもちゃバージンってわけ)

そしてその点においては、美耶のほうが先駆者であるということだ。
なにしろ、愛機でほとんど毎晩自分を慰めているのだから。

紙袋をひっくり返すと、パッケージを開けて一度洗ってあるバイブ数本と、ローターやコンドーム、ローションが落ちる。
その中から赤い花柄のローターを取り上げて、美耶はうっそりと笑った。

「ごめん雛子さん、脱がせるって言ったけど」

「?」

「撤回するわ。まずは、この上からね」

「ん、アァッ!」

ショーツ越しに割れ目に押し当てたローターのスイッチを入れる。
振動を始めたそれで、ゆっくりと割れ目をなぞると、雛子は唇を噛んで腿を震わせた。

「んっんっ、んぁっ」

「気持ちいい? 雛子さん」

「ぁ、……ぁう……」

「うん、気持ちよさそうね。よかった」

ちょうど蜜壷の真上から押し付けると、ショーツにじゅわりと蜜が染みる。
そのまま上に滑らせて肉芽を押し潰せば彼女の喉から引き絞るような嬌声が漏れた。

「ンアァッ」

「ここ、やっぱ弱いよね。女の子はみんなそうなのかな」

「やあ、みや、みやちゃ、っ」

「んー?」

「あ、あ、あっ! やめっ」

「だァめ。こうして、ぐりぐりするの気持ちいいんでしょ?」

痛くない程度に押し付けて、しこった肉芽をこりこりと擦り上げる。
そのたびに雛子は声を上げ、全身を細かに痙攣させた。

そこをそうされるのは苦痛と快感が紙一重で、そしてその快感自体、恐ろしいほどのものだということを美耶は知っている。
女性なら、ほとんどの人間がそこから齎される快感に抗えないということも。

「雛子さん、このままいける?」

「いや、いや、みやちゃんっ」

「いけるよね。ほら」

「やあ、やああっ!」

ぐっとおしつけられたまま振動を最大まで上げられて、痩躯が暴れる。
それを体重をかけて押さえつけ、美耶は夢中で雛子の秘部を責め立てた。

「あっあっ、ぁん、ぅう……ンンーーッ!!」

「っ!」

がたがたと雛子の体が揺れる。
娘の手によって齎された絶頂を、雛子はただ涙を流して享受するだけだった。

ローターを放り投げ、そっとショーツを脱がせる。
濡れてぴっちりと張り付いた布は、そこから剥がされると透明な蜜の糸を引いた。

「すごい……」

サーモンピンクの肉は花びら状にめくれて、奥まった場所は一層朱く色付いている。
ひくひくと痙攣する花びらはたっぷりと蜜を抱いて、奥を犯して欲しいと懇願してくる。

どうにも卑猥な姿に、美耶は己の花びらにとろりとした蜜が伝うのを感じた。