1.恋の寿命

恋とは多種多様なもので、多少冷めてもすぐに再燃する恋もあれば、一度冷め始めるとどうしてももとの熱を取り戻せない恋もある。より深い愛に変化する恋もあれば、憎しみへとシフトする恋もある。

一説によれば、恋の寿命は三年なんだとか。

つまり三年以内に同じ人にまたに落ちれば関係は続くし、落ちなければそこまでだ。

もちろん全部が全部そうというわけでもあるまいが、日菜子の考えるところによると、それは結構当たっているのかも。
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3. 円を描く

furuetenemure3「なんでさっさと言わないの!」
美耶は怒ったように頬を膨らませていた。

「美耶が楽しそうだったから」

「楽しかったけどさ!」

ベッドに寝かせた日菜子の髪にドライヤーを当てて、湿った髪を乾かしていく。
ビタミンカラーのドライヤーは先日買い換えたばかりで、風量が多いのであっという間に乾いた。
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5. 雫が絡む

bian0327少し差し込んで、抜いて、
差し込んで、また抜く。

潤んだ場所は日菜子の指を咥えこみ、滑らかに蠕動を始める。

美耶は唇を噛み締めて、
その隙間から震える息を吐き出した。

紅く染まった頬、
悩ましげに顰められた眉、
そんなものが愛しくて可愛くてたまらない。
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6. 舌で悶える

furuetenemure-6指を差し込んで、少し奥、上のほう。

何度か反応を見てみたけれど、
美耶は子宮口よりもGスポットのほうが好きみたいだった。

いつものディルドで奥を突くと、少し痛がる。

カリでGスポットのあたりを引っ掛けると盛大に喘いだ。

日菜子とは反対だ。
日菜子は奥のほうが好き。

Gスポットを弄られるのも嫌いじゃないけれど、
奥をがんがん突かれるのほうが感じる。

そのあたりは、美耶と日菜子の
男性経験の違いから来るものなのかもしれなかった。
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7. 恋は無知

0423furuetenemure7日菜子はしあわせだった。

人より少しだけ恵まれた体型、容姿、
仕事はやりがいがあり、
給料だって少なくない。

マンションは駅前の3LDK。都心からは少し離れているけれど、快速の停まる駅周辺は十分に栄えていて、なんでも手に入る。

家に帰れば可愛い恋人がいて、
彼女を愛し、彼女に愛されている。

それらの一部は、他人には自慢できない。
けれど日菜子のしあわせはそんなことでは揺るがない。

そこはいわば日菜子と美耶の箱庭だ。
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8. 違和も気のせい

furuetenemure8「じゃあ行ってくる」

その日も、日菜子はいつものように出勤した。

玄関まで美耶に見送られて、
行ってきますのキス、
行ってらっしゃいのキス、

そんなものまでいつもどおり。

けれど、そんなものの中に日菜子はなにかを感じた。

違和感、それは虫の知らせのようなものだったのかもしれない。
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9.菓子と強がり

furuetenemure9「おかえりひなちゃんっ!」

「わっ」

ドアを開けた瞬間に美耶が抱き着いてきて、
日菜子は思わず声を上げた。

「ひなちゃんううぅ日菜子おぉぉ」

「ただいま美耶」

「おかえりだよおおぉぉぉただいま日菜子おぉ」

「おかえり美耶」

「ひなこひなこひなこひなこ日菜子だああぁ」

「あー、はいはい」

ぎゅうぎゅう抱きついてくる体を抱きしめて、
思わず冷静に返す。

柔らかい体といいにおいは美耶のもの。

ぬくもりに顔を埋めたいのを我慢して、
中に押し入ってどうにかドアを閉めた。
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10. 死へ手向ける

furuetenemure10しばらくそのままで抱き合っていたけれど、
お風呂も入っていないし、
なんだかどうしていいか分からなくて
日菜子はそっと顔を上げた。

したくないわけじゃない。
その体温を肌で感じたいと思う。

けれど、たぶん美耶はそうじゃない。

直感めいた考えは当たっていたようで、
手の早い美耶は
ただ甘えるように頬ずりしてきただけだった。
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