春をひさぐ女(1)|出会い

haruwohisagu1昼さがりの「カフェ・みるきー」は、
おしゃべりを楽しむ客たちで賑わっていた。

里香子は、カウンター席に座り、
運ばれてきた珈琲を一口飲んだ。

「あれからもう8年。
この店のちょうどこの席だったわね」

ひとりごちながら、記憶を手繰るように遠くを見つめる。

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