1話 『作り笑い』

karenaihana-1車で15分ほど郊外に走った国道沿いに、その商業施設はある。
もとは繊維団地と呼ばれた工場や問屋が集まっていた場所だが、
3年前にシネコンやデパートがいくつも入った巨大なビルに生まれ変わった。

「あとは、何かしら」

姑の聡子は60歳を過ぎた今も足が丈夫で、
しかも気性がせっかちなものだから、
こういう場所に来るといつもより早く歩きまわって買い物をする。

息子の勇一とその嫁の瑞樹が、あとをくっついて追いかける格好だ。
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