甲府盆地の暑い夏(7)|四苦八苦

kofu7うーんうーん、
ほうとうは一回書いただし、
あの店はパッとしなかっただし」

坂井美智は騒ぎながら、
「やまなしfood紀行」を書くために机に向かっていた。

 

確かにパソコンではなく、
原稿用紙に鉛筆で書こうとしている。

当然ではあるが、彼女の言葉には甲州弁が混じる。
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13話 待ち合わせ

室生はパソコンも触ったことがない。
携帯は古くてメールもできない。

だから連絡は電話か、
留守電にメッセージを入れるしかなかった。

金曜日はまた雨になった。
天気予報では夜になって激しく降るそうだ。

傘をすぼめて喫茶店の外でスマホを取り出し、
室生に連絡を取った。

作詞教室に向かう電車の中なのだろうか、
低い老人の声で留守電のメッセージが流れた。
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