10話 不思議な玩具

karenaihana10「病院なんかに頼るのは嫌なんだ」

一瞬、デジャヴのようだと瑞樹は思った。

作詞教室から二日後の昼下がり、
夫の勇一と二人で久しぶりに新宿で映画を観に行った日のことだった。

ロビーで上演時間を待っているとき、
二、三歳の女の子を抱いたカップルが向かい側のソフアに座っていた。

「同じ回の上映じゃなきゃいいけど」

「あら、可愛いじゃない」

「騒がれたらたまらないよ」
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