14話 『枯れ木の雫』

ホテルの前で白い猫が車に轢かれて死んでいた。

それをよけ、顔をそむけながら二人でロビー入った。

室生が傘をすぼめて水を切る間に、
瑞樹は素早く部屋を選んでパネルのボタンを押した。

フロントの小さな窓から、
肉づきのいい中年女の手が鍵を差し出してきた。

猫の血が雨に流れているのを見たせいではないだろうが、
瑞樹はいつもより興奮していた。

きっとそれはカバンに隠し持ったウィバイブ4のせいだ。

けれど、血を見るということは生理を連想させる。

それにホテルに入って、
室生の男根を口にふくんだときも、
いつもとは違うと感じた。

萎えてはいるが、口の中のそれは、
少し芯が入っているというか、
いつものゼリーのような柔らかさではなかったのだ。
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