甲府盆地の暑い夏 (1)|ある夜の出来事

kofu1それは突然、やって来た。

「その時」までは、いつも通りだった。
少なくとも阿川はそう思っていた。

ホテルの部屋に入った阿川と香織は、
バッグを放り投げると飛びつくように抱き合い、
お互いの唇をむさぼり合った。両方が獣のように飢えていた。

ぬちょぬちょと音をさせて舌を絡め合いながら、
お互いの服のボタンを引きちぎるように脱がせる。

脱ぎ切らないうちにベッドに倒れ込み、
最後の一枚を脱ぎながら阿川は香織の豊かな胸に顔をうずめる。

香織は35歳の人妻である。

もともと肉感的だったその肢体は
阿川との関係を通じてさらに磨きがかかったようで、
その肌のほどよい湿度と弾力は比類がない。

阿川は香織と抱き合っていると、
全身を粘膜で包まれているような気分になる。

その両乳房を手で外から押し、
自分の顔をはさんでその柔らかさを味わった後、
二つの乳首を順に吸い、舐める。

「ああ、ああん……」

乳首は香織の弱点だ。
それをいじるたびに香織の体がこわばり、
のけぞり、手は阿川の髪をかきむしる。

阿川は手を、香織の腹からその下へとはわせる。

ざわざわとした感触を通り過ぎて
さらにその奥まで行くと、
そこはすでに蜜でべとべとになっている。

最初に指に触れた突起を少しつまむ。

「ああ、ああーーっ」

香織は阿川の胸に頭を押しつける。
阿川の二の腕を、痛いほど握りしめる。

「だめ……イヤ……入れて」

「ん? 何だって?」

「欲しいの……寛ちゃんの……オチンチン」

「もう欲しくなったのか……
困ったメス猫だ。よし、入れてやろう」

そういって香織の脚を開かせ、
正常位でそこに入れようとして阿川はがく然とした。

股間にそそり立ち、全体に血管をみなぎらせて
はち切れんばかりになっているはずのものが、無い。

いや正確に言えばあるのだが、
無いも同然にそれは存在感をなくしている。

「…………!?」

阿川は言葉を失った。

香織の体にむしゃぶりついている間は夢中だったし、
自分ではいつものように興奮していると思っていた。

いつまでもそれが入ってこないことを
不思議がった香織も、その事に気がついた。

「あら」

香織の方は、そこまでショックを受けてはいないようだった。

阿川との行為では今までこういう事はなかったが、
他の男とは結構同じ経験があるのかもしれない。

香織は阿川を寝かせ、その脚の間に潜り込んだ。

「どうしたんでちゅかねー。
ボク、機嫌悪いのかな?
お姉さんがいい子いい子してあげるね」

むしろその事を楽しむかのように、
阿川のペニスをいじり、なで、舐め始めた。

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