甲府盆地の暑い夏(27)直前逃亡

エリーは阿川の上に馬乗りになったまま、
Tシャツを脱ぐ。

腕を交差させてTシャツの裾を腰から
肩の上までまくり上げる様子は、
ハリウッド映画の1シーンのようだった。

二人は全裸になって絡み合う。

日本人にはあまりない、
皮膚の内側からはじけ出てくるような弾力。

汗と体液にまみれたその白い体が
阿川の体にまとわりつき、のたうち回る。

阿川がエリーの脚を開いてその奥をのぞき込むと、
そこもやはり髪と同じようにブロンドだった。

さらにその奥の濡れた箇所を開くと、
中のピンク色がぬらぬらと光った。

『ウフ……入れたくなっちゃった?』

『ぶち込みたいな。
だがそのためには、もっと固くしなきゃな』

阿川の言葉で、エリーは阿川がEDだと言ったことを
思いだしたようだ。
阿川の股間に手を伸ばし、それを握る。

『大きくはなってるけど……
確かにもう少しカチカチの方がいいかもしれないわね』

『はっきり言うね』

阿川は苦笑した。

阿川は勃起補助器具のチューブをとりだし、
ペニスにはめる。

ゴム管でつながったポンプを押すと、
チューブの中のものがじわりと大きくなる。
エリーはその様子に興味津々だ。

『すごーい』

阿川がチューブを外すと、
エリーがそこに飛びつく。

『固い……固くなってる。ちょうだい今すぐ』

我慢できないように、
エリーが阿川の上半身をベッドに押し倒す。

阿川の腰の上に膝をまたがせて立つ。
阿川の固くなったモノを持つと、
その硬さを確かめるように上から根元までなでつける。

それからその先端を自身のクリトリスに当て、
ぐりぐりとこする。
エリーは阿川の顔をじっと見ながら、
モノの先端を女性器にぐっと押し当てる。

すぐには入れない。
その感触を確かめるかのように、
肉が割れた部分の上から下までぬらぬらとこすらせる。

エリーが腰を、少しずつ落とす。
先端が肉を割る。
阿川のペニスをカナダ人女優の粘膜が包み込もうとした。

『ちょ、ちょっと……待ってくれ』

阿川が急に声を出した。

『!?』

『だめだ、無理だ、できない』

『!? できるわよ。充分な固さじゃないの』

『いやそうじゃない、俺は……できない、君とはできない』

エリーはかまわず、腰を下ろして
それを下半身に飲み込もうとした。

阿川は体をずらし、エリーから離れた。

『何なのよ!もう!』

『申し訳ない。この通りだ』

阿川はベッドから下り、床に頭をつけた。
土下座が謝罪を示す好意だということは、
欧米人には分からない。

だが、阿川の気持ちはそれなりに伝わったようだ。
エリーは興ざめしたように、ため息をついた。

『……理由は何か知らないけど、できないのね?』

『ああ……申し訳ない』

エリーは裸のまま、土下座する阿川を見下ろした。

『いいわ。帰ったげるわよ。立ちなさい』

阿川がうなだれて立ちあがる。
エリーはその青い大きな目で阿川をにらみつけた後、
バシッと阿川の顔に平手打ちをくらわせた。

どうやらそれが、「直前逃亡」への制裁だったようだ。
その一撃により、阿川の差し歯がぐらついた。

阿川はタクシーを呼び、
運転手にホテルの住所のメモを持たせ、
エリーを乗せて帰らせた。

車のドアが閉まる直前に
エリーは「Fuck you」と叫んでから、帰っていった。

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