甲府盆地の暑い夏(12)小雨とうたたね

kofu12翌週。今回は豪雨ではなく、小雨が降っていた。

美智のところに原稿をとりに行った阿川は、
またお茶菓子に付き合わされることになった。

話はコラムのこと、
美智の受け持つ授業の生徒のこと、
家族のことなど、あっちこっちに飛んでとりとめもない。

ある意味ばかばかしい、
聞いても聞かなくてもいいような事ばかりだった。

しかし阿川は、必ずしも
いやいや付き合わされているわけではなかった。

もともと嫌なものは嫌とはっきり言うタイプで、
そのためきらわれることの多かった男である。

美智のしゃべりと立ち居ふるまい、
それから部屋のところどころにある
手作り風のアクセサリーなどが形作る雰囲気に、
不思議な心地よさ感じ始めていた。

「……阿川さん!阿川さん!」

美智の声で、阿川はハッとした。

話を聞いているうちに、うとうとしてしまっていた。

「何で寝ちゃうんですか。今の話聞いてました?」

「え、ええ、もちろんです。
ポテトサラダを作りすぎた生徒さんの話ですよね」

「やっぱり聞いてないじゃないですか。
実家にクマが出たんですよ。こーんな大きなのが」

美智はさほど怒った様子でもなく、また話し続けた。

部屋のほのぼのとした雰囲気の中で
美智のリズムのあるしゃべりがBGMのように聞こえ、
心地よくなって眠ってしまった。

わずか3回会い数十分ずつを過ごしただけで、
話しながら寝るという失礼なことをしてしまうというのは、
かなり彼女を気安く感じているのかもしれない。

阿川はまた30分ほど滞在し、支局に帰った。

7月中旬、梅雨明けが間近になり、
ますます暑くなる。

寝る時にペニスにはめる、
リング形のED対策器具の使用は
先月以来ずっと続けている。

少しその効果が表れ始めたようだ。

時々朝だちをするようになったのだ。

とはいえ、まだ弱々しい。

明け方、阿川がもうろうとした意識の中で勃起を感じる。

時にはそれがズボンのパジャマに突っ張り、痛さも感じる。

しかしそれがはっきりと意識されて阿川が目を覚ますと、
急速にそれは縮んでいく。

20代まで、いやほんの数年前でさえ、
朝のペニスの爆発的な膨脹にその皮が耐えきれず、
それが快感なのか痛みなのかよく分からないことさえあった。

目が覚めても収まる気配がないので、
かたわらに女がいれば手や口でしてもらった。

いなければ、オナニーして出社した。

そういう事が珍しくもなかった。

それを思うと今のこの朝だちは寂しい限りではあるが、
それでも一時期に比べれば進歩だった。

先日はその、朝だちをするようになったモノを
こすってオナニーをしてみた。

一応射精はしたものの、やはり固さはまだまだ足りなかった。

時間もかかった。

少し落胆したものの、
とりあえずリングの着用は
続行してさらなる改善に期待することにした。

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