11話 ウィバイブ4

アイドルのチケットが届くよりも、 この荷物が届く時間のほうが 瑞樹には不思議な昂揚感があった。 チケットを手にしたあの夏、 友達と出かけたコンサートに 少し失望してしまったこともあるかもしれない。 『枯れない花』 たった […]

12話 初めての快感

ベランダで洗濯物を取り込むとき、階下の広場を見下ろすと、 さっきまでここで珈琲を飲み、世間話しに笑っていた絵美ちゃんが、 駐輪場から自転車を引き出しながら手を振っていた。 童顔だが瑞樹よりも四つも年上。 三歳の男の子の母 […]

14話 『枯れ木の雫』

ホテルの前で白い猫が車に轢かれて死んでいた。 それをよけ、顔をそむけながら二人でロビー入った。 室生が傘をすぼめて水を切る間に、 瑞樹は素早く部屋を選んでパネルのボタンを押した。 フロントの小さな窓から、 肉づきのいい中 […]

15話 『奥で漲る』

閉じた窓は、隣りのビルの壁に面していた。 音は聞こえないが、 風で激しく雨滴がガラスに当たっているのはよく見えた。 「どうやって使うの?」 ウィバイブ4を手に取り、 室生は不思議そうにひねりまわして考えこんでいた。 「こ […]

16話 『淫汁』

指を添えた男根を、ゆっくりと花弁に押しつけていった。 まだ亀頭は柔らかい。 花弁に押しつけると、 そのまま中折れになって外に逃げてしまう。 けれどウィバイブ4が添えられた、 これまでにはない現実離れした卑猥な花弁が、 室 […]

18話 『雨に濡れた花』

「一杯だけ、どうかな?」 雨は小降りになっていた。 終電までにはまだ時間があった。 いつもならホテルを出ると、 駅の改札の手前で小さく言葉を交わして、 自然と離れるようにして 別のホームへと足を急ぐのだが、 今夜の室生は […]

19話 『水中花』

赤いパンティを小さく丸めて、 洗濯機の中、枕カバーの下に差し込んだ。 熱いバスタブのお湯に少し長く浸かり、 時間をかけて髪の毛も洗った。 室生の体臭がしみついているわけではなかったが、 やはり自分の中に、 老人と初めてセ […]

20話 『不自然な交わり』

昨日までの雨と風が嘘のような快晴になった。 空は青く広がり、 千切れたような雲がゆっくりと流れている。 瑞樹はたまった洗濯物を ベランダに出て物干しに干した。 サンダルに残っていた雨の雫が 素足に冷たかった。 下腹部が熱 […]