「枯れない花」の記事一覧(2 / 3ページ)

11話 ウィバイブ4

アイドルのチケットが届くよりも、 この荷物が届く時間のほうが 瑞樹には不思議な昂揚感があった。 チケットを手にしたあの夏、 友達と出かけたコンサートに 少し失望してしまったこともあるかもしれない。 『枯れない花』 たった・・・

12話 初めての快感

ベランダで洗濯物を取り込むとき、階下の広場を見下ろすと、 さっきまでここで珈琲を飲み、世間話しに笑っていた絵美ちゃんが、 駐輪場から自転車を引き出しながら手を振っていた。 童顔だが瑞樹よりも四つも年上。 三歳の男の子の母・・・

13話 待ち合わせ

室生はパソコンも触ったことがない。 携帯は古くてメールもできない。 だから連絡は電話か、 留守電にメッセージを入れるしかなかった。 金曜日はまた雨になった。 天気予報では夜になって激しく降るそうだ。 傘をすぼめて喫茶店の・・・

14話 『枯れ木の雫』

ホテルの前で白い猫が車に轢かれて死んでいた。 それをよけ、顔をそむけながら二人でロビー入った。 室生が傘をすぼめて水を切る間に、 瑞樹は素早く部屋を選んでパネルのボタンを押した。 フロントの小さな窓から、 肉づきのいい中・・・

15話 『奥で漲る』

閉じた窓は、隣りのビルの壁に面していた。 音は聞こえないが、 風で激しく雨滴がガラスに当たっているのはよく見えた。 「どうやって使うの?」 ウィバイブ4を手に取り、 室生は不思議そうにひねりまわして考えこんでいた。 「こ・・・

16話 『淫汁』

指を添えた男根を、ゆっくりと花弁に押しつけていった。 まだ亀頭は柔らかい。 花弁に押しつけると、 そのまま中折れになって外に逃げてしまう。 けれどウィバイブ4が添えられた、 これまでにはない現実離れした卑猥な花弁が、 室・・・

17話 『ささやかな後悔』

見ておきたかった。 瑞樹は悶え、喘ぎ、 室生の二の腕に爪を立てながら、 顔を右に向けて壁の鏡を見た。 乱れたシーツのベッドの上、 上半身の服を身に着けたままの老人と、 孫ほど年下の女が腰を激しく使って蠢いている。 ぴった・・・

18話 『雨に濡れた花』

「一杯だけ、どうかな?」 雨は小降りになっていた。 終電までにはまだ時間があった。 いつもならホテルを出ると、 駅の改札の手前で小さく言葉を交わして、 自然と離れるようにして 別のホームへと足を急ぐのだが、 今夜の室生は・・・

19話 『水中花』

赤いパンティを小さく丸めて、 洗濯機の中、枕カバーの下に差し込んだ。 熱いバスタブのお湯に少し長く浸かり、 時間をかけて髪の毛も洗った。 室生の体臭がしみついているわけではなかったが、 やはり自分の中に、 老人と初めてセ・・・

20話 『不自然な交わり』

昨日までの雨と風が嘘のような快晴になった。 空は青く広がり、 千切れたような雲がゆっくりと流れている。 瑞樹はたまった洗濯物を ベランダに出て物干しに干した。 サンダルに残っていた雨の雫が 素足に冷たかった。 下腹部が熱・・・

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