23話 『揺れる花』

老人のホクロの多い背中に手をまわし、
右の肩に頬ずりし何度も噛みながら、
瑞樹は激しく悶え、
室生の男根を享受していた。

壁のタイルと
瑞樹の張りのある瑞々しい背中が擦れ合って、
ネズミが鳴くような音が
規則正しく浴室に刻まれていた。

ホテルの外、男同志の口論する声が
かすかに聞こえていた。

駐車場のことで争っている気配だった。

ウィバイブ4の絶妙な振動、
それが室生の男根に伝わり、
室生の雄々しいピストン運動と共鳴し合って、
瑞樹の蜜道を拡張していく。

瑞樹もまた、
ウィバイブ4のクリ攻めが掛け算になり、
イクのを必死に堪えながら、
ますます室生の背中に爪を立てて
掻きむしってしまう。

もっともっと、室生の男根が欲しかった。

そしてこの瞬間だけは、
室生の精子を子宮にかけてほしかった。

「もっと、もっと、ちょうだいっ」

瑞樹はそれを声に出して言った。

「先生の、濃くて精子がいっぱいの、
中に出してぇ!」

考えてみれば、夫の勇一にも
そんな直接的で卑猥な言葉
口にしたことは一度だってなかった。

不倫。

正常じゃない関係がそう言わせるのだろうか。

それともウィバイブ4という
この不思議な道具が、
瑞樹の中の何かを解放したのだろうか。

室生の男根の抜き挿れに掻き出された蜜が、
瑞樹のお尻を伝わり、
浴槽の縁から湯に落ちて広がっていった。

「ああ、す、凄い、も、もたない…」

こんどもまた室生に逃げられた。

湯を激しく波立たせて、
漲った男根を抜いてしまった。

(せめて…)

と瑞樹は思った。

慌てて浴槽の中にしゃがんで両膝をつき、
反るように漲って亀頭を揺らしている室生を
口いっぱいに頬ばった。

「んんっ」

口の中、瑞樹自身の濃厚な蜜の味がした。

一瞬、
室生のお尻の筋肉が引き絞るように固くなり、
瑞樹は奥歯そばの歯茎に
粘りのある卵白のような精液がぶつかるのを感じた。

一滴もこぼすまいと夢中でそれを飲んだ。

老人のとは思えない、
喉に引っかかるような粘りだった。

頬をすぼめて亀頭を吸い、
最後の汁が透明になるまで味わい、
飲み込んだ。

浴槽の中で立ち上がり、
ウィバイブ4を室生がはずし、
リモコンのスイッチも切った。

鏡のそばにそれを置き、
二人で抱き合って唇を重ねた。

舌をからませる瑞樹の舌には、
まだ室生の精液が残っていた。

体をタオルで拭いてからベッドに戻り、
冷蔵庫にあったビールを飲んだ。

ウィバイブ4は枕のそばで、
まだ水滴をつけたままにして置かれた。

「僕は、君の中には出せないよ」

両切りのピースに火をつけながら、
室生が少し寂しそうな顔で言った。

「いいの」

室生の煙草をつまみ取って煙を吸い、
それをゆっくり吐きながら瑞樹が言った。

「その瞬間、そう思うだけだから」

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