9話 玩具の誘惑

karenaihana9-2「ああっ、もっと、もっとぉぉ!」

花弁からあふれた蜜が、
室生の萎えた男根にからみつき、それを花びらの重ねが摩擦をして、いつしか蜜蝋でも塗りたくったように白く濡れ光っていった。

 

硬くしこりきった乳首が
室生の指の又で締めつけられ、
それに呼応するように瑞樹もまた、
両手をついた室生の乳首を爪の先で掻きむしった。

背中を伝った汗の筋がお尻の谷間に集まり、
ココア色の蕾を濡らし、
腰の振りに合わせてヒクヒクと小さく開いてはすぼまった。

「いくっ、ねぇいくっ、いくぅぅ!」

室生に覆いかぶさるようにしてしがみつき、
汗で濡れた首の筋に唇を押しつけた。

一瞬、動きが止まってから、
大きく二度、痙攣をした。

室生は黙ったまま、
瑞樹の背中に手をまわして抱きしめた。

天井の貝殻の形をした鏡に、
老人にしがみついた人妻の白い背中の汗が
ぬめっているのが映っていた。

花弁の下、
室生の蜜蝋に濡れた亀頭が、
その重たい先をゆっくりと太ももに沈めていった。

「私も吸いたい」

缶に入った両切りの強い煙草を瑞樹もねだった。

ホテルのライターの火を譲り合って、
二つの紫煙がゆっくりと部屋を漂っていった。

舌を刺すような刺激があった。

「ああいうのって、どうなんだろうね」

くわえ煙草の唇の端から、
室生が呟くように言った。

「あれって?」

「ほら、あれ」

室生の視線の先、
ミニバーのそばに置かれたアダルトグッズの自販機があった。

「どうって?」

「つまりその、もっと気持ちよくなるのかな」

全裸のままベッドから下り、
テーブルの灰皿に吸いかけの煙草を落とした瑞樹は、そのまま自販機の前でしゃがんだ。

「よくなるって、私が?」

「いや、お互いにさ」

そのとき、ようやく瑞樹は
室生の気持ちが少しわかったような気がした。

「先生、もしかしてこういうの使ったら興奮する?」

「どうだろう」

室生は答えを曖昧にしたが、
自販機のそばにしゃがんだ人妻の裸体から視線は逸らさなかった。

「刺激にはなるかな。
何しろ使ったことがないから」

「こういうの使ったら、
オ×××ン、元気になるかしら?」

「多分、無理だろうけど…」

言葉が途切れた。

そうだ、やはり室生はこういうものを試してみたいのだ。

そしてもう一度勃起して
それを瑞樹の膣に挿れてみたいに違いない。

「僕はね、薬に頼るのは嫌なんだ」

ホテルを出て、駅へ二人で歩く道すがら、
室生が自分に言い聞かせるように呟いた。

「なんだか、薬で大きくするっていうのは
嘘のような気がしてね。

それに、医者からも言われている。
血圧を下げる薬を飲んでいるんだから無茶ですよってね」

「そういうお薬を、
どうして処方してもらおうと思ったの?」

「どうしてって、君とこういう関係になったし…
やっぱり、忸怩たるものがあるよ。
これでも昔は男をやっていたからね」

「……」

その夜の室生は、いつになく饒舌だった。

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