2話 『疼く花芯』

karenaihana2この頃は、こういう商業施設のトイレにもシャワー便座が当たり前になった。

瑞樹が入った個室も便座に座ると、ヒーターでお尻を温められる。掃除が終わったばかりでよかった。

個室は清潔で、ペーパーも几帳面に三角に折られている。

くるぶしのあたりまで下げたパンティは、まだ血で汚れていない。もしものためにナプキンを貼ってきた。

それを剥がして丸め、手のひらで握ったまま、細く長い吐息をつく。
金色の尿がほとばしり、便器にはじけて流れ落ちていく。

(……)

すぐに戻りたくはなかった。

聡子と勇一はシネコンのそばにあるカフェで珈琲を飲んでいる。
聡子のことだから、勝ったばかりの夫の誕生日プレゼントを取り出して、
息子と二人でラッピングやリボンのことをあれこれ話しているに違いない。

なんで母親の前だとあんなに快活になるのだろう。

(…疲れているから)
勇一は今朝も瑞樹を拒んだ。

(これからお袋と買い物なんだしさ…)

なおさらして欲しいと瑞樹は思った。

甘え上手でもないし、自分から求めるのも気が引けるが、
生理前はどうしても積極的になってしまう。

ましてや聡子との買い物だと気が重い。

その前の朝の時間に勇一と交われば、
少しは孫の話にも笑って耐えられる気がした。

尿を出しきり、滴で濡れた自分の花弁を見下ろしながら、
瑞樹は今朝のベッドの中で握った勇一のペニスの萎えた感触を思い出していた。

柔らかく、芯のないそれは、瑞樹の手のひらの中で小さく縮んでいた。

朝だというのに、妻が触っているというのに、
二十八歳になったばかりの勇一のペニスは少しも硬くなってくれなかった。

(どうせ、晩飯もあっちだろ? だったらあと三十分…)

妻の手首を優しく握り、少し強めにペニスから離した勇一は、
布団の中でパジャマを引き上げ、瑞樹に背中を向けて枕に頭を埋めた。

(…浮気?…)

そう思って、すぐに違うと否定した。

勇一はそんなことをするタイプではない。
それだけはわかる。

確かに仕事は忙しい。
きっと疲れだ。

それに朝にするのは、結婚前から好きではなかった。

シャワーで花弁を洗った。
勢いを強くした。
温水が心地よかった。

膝を少し曲げて、温水でクリトリスを洗ってみた。

やはり生理前で敏感になっているのだ。
いつもは感じない快感が背中から上がってきた。

(…ああ、欲しい…)

瑞樹は自分の指で割れ目を左右に引っ張った。
クリトリスが芽吹いて、さらに強く温水にさらされた。

汗ばんだ足の指が、靴の底を掻くのがわかった。

瑞樹は服の上から乳房を掴み、ねじるように強く揉みながら、
便座の上でお尻を前後に揺すっていた。

女子高生らしい若い女の子が二人、
笑いながらトイレに入ってくるのが聞こえた。

(…!)

瑞樹は、イク寸前にシャワーを止めた。

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