6 コロニアル・ディナー|フィットネスクラブとアナルプラグ

fit6アオザイを着た女性が案内してくれたのは窓際のテーブルです。テーブルには3人用のセッテイングがされ、ディナーキャンドルの炎がシルバー類やグラスに映ってとっても綺麗。窓からはこじんまりとしたお庭がみえて、赤いランタンが照らしています。

白い上下を着た接客担当の男性が満面の笑みでご挨拶と食前酒の注文を聞いてきました。JBは私を見て眼で訊ねます。「おまかせします。」私はそう言うと彼は「では、いつものシャンペンを」と接客係りの男性に伝えます。

「よければ、会社の立場を忘れてほしいんだ。お互い友人としてね。良いかな?」

にっこりと微笑みながら私の手を握りながらそう言うJBです。つまり日本人にありがちな「なんでも良いです」とか「お任せします」なんておしとやかな日本人女性は彼の流儀に反するんですね。きちんと自己主張するのが大人の女性だと刷り込まれているんでしょう。

それには私も同じ意見ですので承知しましたと伝えます。ちょうど運ばれてきた薔薇色のシャンペンクラスを手に取って乾杯します。

「お互いの友情の始まりに」

JBはそう言ってウインクします。そうだ、美佳はどうしたんだろう……。車でしかこれない場所だからタクシーが捕まらないのか?それとも……。

冷たいシャンペンが乾いた喉に染み渡ります。おもわず「ああ、美味しい」と声が出ました。「美味しい? 良かった。これはあまり出回っていない銘柄なんだよ」とJBも美味しそうに啜っています。

メニューを見ながら、接客担当からお薦めを聞いたりしてかなり時間を取ります。ようやく決まり、メニューを戻して男が立ち去るのを待って「ごめんね。美佳は急に来れなくなったんだ」と告げます。

どうやら美佳とJBの仕組んだお芝居かもしれません。最初から二人だけだと断るかもしれないから、3人でなんて作り話に決まってます。あの美佳が三人で仲良くなんて思うはずが無いからです。私と二人きりですと本当の友情だと思うんですが、男が入ると打算的になるのが美佳の悪いところです。

でも、かまいません。ちょっとアバンチュールな気分を楽しみたいと思っていたからJBのお誘いもグッドタイミングでしたし。美佳を交えててと言えば、会社のほかの人に知れても言い訳になるしね。

さあディナーを楽しまなくちゃ。笑顔を浮かべた私の表情にほっとしたようなJBです。そんな彼を見て、思いのほか、このフランス人は案外と素直なのかな?そんな印象に変わってきました。

前菜に魚介類とハーブ、新鮮な野菜をあえたサラダ仕立て。ドレッシングは油を使わず、ライム果汁とニョクマム中心でさっぱりとしてお口の中が爽やかになります。ここで南フランス産のロゼワイン。こちらもフレッシュで酸味が活き活きしてとても良くお料理にマッチします。

実は私はベトナム2年程滞在していた事があるんです。そんな話をしたらJBも偶然、同じ時期にすんでいたらしく、話が弾みます。市場での値切り交渉のエピソードや私が行きたかったけど行けなかった高原リゾートの話をユーモアたっぷりに話してくれます。

話に夢中になってメインのベトナム風地鶏のローストとこれもJBの生まれた南仏産赤ワインを楽しんでいる頃にはすっかり酔ってしまったようです。

さあJB、これからどうするの?

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