fitness4朝、起きると主人はもう会社に出かけていました。いつ帰ってきたんだろう?ベッドで寝た跡があるから、深夜に帰ってきて、数時間だけ休んでまた会社に行ったのかなあ……。お疲れ様ですね。
カフェオレをいれて、冷凍クロワッサンを焼いて朝食にします。私の会社はフレックスだから、朝のラッシュ時間をずらして出勤します。

24階の役員用フロワーまでエクゼクティブ専用得エレベーターで昇ります。勿論、IDカードが無いと乗れません。
そのフロワーにある役員室に入って自分の机のパソコンをスタンバイさせます。窓の外を見下ろすと、ビル前の広場を歩道からぞろぞろと歩いてくるのが見えます。まるで働き蟻みたいに。

ドアが開き、ボスが入ってきました。朝から役員会議ですから、お疲れ様です。立ち上がって頭を下げて挨拶します。欧米の女性は頭なんか絶対に下げないから、これをすると彼らは無邪気に喜ぶんです。

案の定、ボスのジャン・ベルナール・ブノワは笑顔で「Good Morning!Rei」と返してくれます。本当に彼らは笑顔を造るのが上手です。日本人とは大違い。でも見掛けに騙されないようにしないと。内心を隠すのもそれだけお上手ですから。

ジャン・ベルナール・ブノワ。45歳の南フランス出身。身長は180cm位で小柄が多いフランス人では高いほうかな。髪の毛は灰色と茶色が混じったような微妙な色合い。眼の色も緑色と灰色の間のような色。どことなく猫(もちろん洋猫ね)を連想してしまう。性格は猫そのものだけど。みんなは彼のことをJBと呼んでいます。

朝一番にするのはモーニング・ブリーフィング、そう今日の打ち合わせです。この会社の役員秘書達は全員を担当します。直接に付く秘書はいません。そして私は彼のアシスタントマネージャーとして秘書に指示を出したり、会社内外の連絡調整を任せられています。

今朝のテーマはここ3ヶ月のクライアント分析結果の報告指示の確認と来月に控えたケイマン島所属の特別役員ミーテイングの準備状況。JBがメモなしで次々と繰り出してくる問題や意見を整理して関係部署に流すのが私の今日の仕事になります。
この調子だと今日のランチは表に行けないなぁ。そんなぼやきは顔に出さずに、役員室を出て自分の机に戻ります。

テキパキとでもマイペースで仕事を片付けていきます。お昼は携行栄養食をミネラルウォーターで流し込んで終了。あっという間に4時過ぎです。あとは明日の準備と残務処理をするだけだと思っていたら、内線電話のランプが点滅します。

「Hi,Rei 部屋に来てくれ」JBからでした。
彼の部屋に行きます。まず、残業を言い出す事は無いと思いますが、この気まぐれフランス人は何を急に言い出すか、スタッフはみんなひやひやする事が多いんです。ちょっと緊張して彼の机に近づきました。

「やあ、今日はありがとう。おかげでかなり仕事が巧くいった。お礼に夕食でもどうかなと思ってね」
突然のディナーのお誘いにビックリです。だってこんな事、今まで無かったんですもの。

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