お客様N(30)|エピローグ

ここからは、真のハッピーエンドとなる。

結果から言うと、
玲子とのぎこちないSMプレイの中で、
成田は見事射精することができた。

玲子の着けたペニスバンドに突かれながら、
数年の間溜まっていたのかと思えるほど
大量のザーメンを放出した。

二回目のプレイでは、玲子の中で出した。

三回目は、二回も射精をした。

二人の関係は復活した。

しかし今回は以前のような愛人関係ではなく、
恋人としてだった。

復活当初は成田の一方的な想いが強かったようだが、
やがてお互いを愛しあうようになった。

2ヶ月もすると
成田はSMなしでも勃起するようになっていたが、
SMプレイを好む気持ちは変わらなかった。

玲子もだんだんと女王様役に慣れ、
二人のSMプレイは引き続きおこなわれた。

1年後、二人は結婚した。

龍王山の豪邸と土地はすべて売り払った。

会社の経営が悪化したわけではなく、
むしろ順調だった。

その資金も使って社員を増やし、
会社の規模を拡大し、
今までの少数精鋭方針を改めた。

新社長は、あの伊藤である。
成田は会長、玲子は副会長となった。

仕事からしりぞいたわけではないが、
第一線の経営と業務は伊藤たちにまかせた。

成田と玲子は、龍王山の別の場所に
こぢんまりとした家を建てて住んだ。

庭では有機野菜を作ったりしている。

夜になると
ベッドの上で攻められる成田のあえぎ声が、
窓の外にもかすかにもれた。

しかし山中の家で聞き耳を立てているのは、
野生のフクロウやイタチだけだった。

添島とSMプレイをした文江は、
一時添島を追いかけて東京まで行くという
無茶な行動をした。

幸いそれは夫には発覚せず、
今は夫婦円満らしい。

伝え聞いた噂によると、
夫婦でSMプレイにはまっているという。

その添島の顔をある日たまたまドラマで見つけ、
成田は驚いた。

AV男優だった添島は、
AVではないドラマの俳優として
だんだんと活躍する場を広げているらしい。

元AV女優の女優は何人かいるが、
元AV男優は珍しい。

その経歴が注目されているようだった。

エリカは東京の店で女王様をやっており、
相変わらず売れっ子である。

エリカに感謝してもし切れない成田は、
毎年エリカに高価な贈り物を贈っている。

ある年エリカは手紙で、
これ以上プレゼントをもらうことを遠慮したい
と申し出るとともに、

「夫婦お二人で東京に来て、
私の店でプレイしませんか」
と書いてきた。

エリカがどの程度本気なのかは分からないが、
成田と玲子は「それもいいかもしれない」とくすくす笑った。

今日も二人は一緒にパソコンを見る。

アダルトショップのサイトを見て、
次はどんなグッズを使い、
どんなプレイをするか相談する。

窓の外で、フクロウがホウと鳴いた。

矢掛町の夜の闇は、
二人がプレイを始めるまで、今日も静かだった。

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