お客様N(23)|不安要素

エリカは東京に戻った。

伊藤とエリカのプレイを思い出すと、
成田は体が火照った。

股間に血が集まり、
それはまだ半ばではあったが、固くなった。

成田のアナル拡張は、割と順調だった。

しばらく前からは、
アナルバルーンという製品を使っている。

文字通り風船状のゴムをアナルに入れてから、
ポンプで空気を送ってふくらませる。

まだ細い状態の先端をアナルに入れる。

ポンプを1回、2回と押す。

肛門の中で広がるゴム。
4回、5回……

「あううあっ」

ここで、猛烈な便意が成田を襲う。

急いでポンプの弁を開いて空気を出すと、
便意は一瞬で収まる。

また空気を入れる。

また猛烈な便意。

必死で、漏れそうになる便を我慢する。

これを使い始めてから何回かは、
我慢しきれず便が出た。

しかしそれも快感だと、成田は分かった。

一番最近のアナル拡張では、
アナルバルーンの空気ポンプ8回押しまで耐えられた。

どの程度までやればアナル拡張に
成功したのか成田には分からないが、
だいぶ慣れてきたという自覚はある。

成田はエリカを呼び寄せることにした。

もしペニバンを挿入されて我慢できないほど痛かったら、
まだ不充分だったということでやめてもらえばいい。

エリカに来てもらう日取りが数日後と決まると、
成田はその事を思って緊張した。

人並み以上の数の女を抱いてきた成田ではあったが、
SMプレイは生まれて初めてだ。

しかも今回は自分のEDが治るのかどうかという
重大事がかかっている。

もう一つ心配なのは、成田が性格的に
側に向いているのかいうことだった。

エリカと伊藤のプレイを見ても分かるように、
女は「女王様」、男は「奴隷」になっている。

SMプレイの時M側は
単に物理的・性的な攻めをされるだけでなく、
立ち居振る舞いも従属する立場になる。

それが表面上のものなのか、それとも心から
「奴隷」になっているのか成田には分からないが、
たとえ表面だけだとしても簡単ではないかもしれないと思った。

成田は地主の息子として生まれ育ち、
資金を得て会社を立ち上げて社長となった。

人生において、人の下におかれたことがないのである。

自然、プライドは高い。

それが反発心を抱かずに
Mとしてプレイできるのかどうか、
自分でも分からなかった。

そうこうしているうちに、エリカが矢掛町にやって来た。

成田は懸念している不安要素について、
エリカに率直に聞いてみた。

自分のような者では、
下手をすればケンカになるのではないか、と。

「そうですね……
店で私のところへいらっしゃるのは、
自分から奴隷になりたいと思っている方々ですから、
よく分かりませんが……」

もっともな話だ、と成田は思った。

「ただお客様の中には管理職の方とか、
人の上に立つお仕事をしておられる方も多いですよ。

普段の自分を忘れるという意味で、
Mになりたいのかもしれません」

「なるほどねえ……」

成田はそれを聞いても、まだ不安だった。

「それでは、こうしましょう。
無理をしてプレイなさる必要はありませんが、
少なくともプレイ中だけは、
私に対して敬語を使って下さい。

それだけです。よろしいですか?」

「うむ……いや、はい、ですね」

「結構です」

エリカは微笑して言った。

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