お客様N(1) | プロローグ

2013年某月某日。ネットショップを運営する某社に、注文のメールが一通届いた。

  • アナルバルーン
  • タイヨー痔バンド
  • ソフトリアルディルド・ペニスバンドセットB
  • 芋茎ジェル10ml 2本入り
  • 僕のペニスをあなたのペットに!!
  • アクメバタフライ
  • 低温ローソク(小)
  • 虜X 平ムチ
  • SMレボリューション・No.6 ハンター(棒付き手足枷)・本革) (leatherblack)
  • SMレボリューション・No.10 スパイダー(拘束ベルト)・本革黒
  • 虜X 口枷 (黒)
  • 虜X 手枷(黒)
  • 虜X 首枷(黒)
  • 虜X 足枷(黒)
  • 編込みバラムチ
  • 乳首クリッパー No.2(リング付き)

これは、上記の品が注文されるに至った経過、そしてそれらの品がどのように使われたかをたどる物語である。
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お客様N(2) | 観察する男

小さな体育館ぐらいの大きさがありそうなその邸宅は、ギリシャの古代建築を現代風にアレンジしたものらしい。
3階建てで真っ白なその姿は、背景の木々の緑に映えた。

アウディから出た娘は、あ然として声も出ないようだった。
男はそれを見てクスッと笑い、娘の背中を軽く押すようにして家の中に入っていった。

「ありゃ、どういう娘よ」

邸宅の3階の窓からその様子を見下ろしていた男が、後ろにいる女性に行った。

「は……倉敷の大学に通う女子大生と聞いております。地元の子です」

「ふん」
男は、煙草をじりっと灰皿に押しつけた。
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お客様N(3) | 女子大生の味

娘は出口に駆け寄り、ドアを開けかけて立ち止まった。
添島が追いかけてくると予想していたのだろう。
しかしその気配がない。

添島は、ソファにうずくまってうなだれていた。

「ごめん。俺の方こそ、そんなつもりじゃ……。君を見てると、つい」

娘はドアを半開きにしたままじっとしていたが、やがてドアを閉めた。

「ううん。私の方こそ、ごめんなさい……。急じゃったけんびっくりしただけなんよ」
娘は岡山弁で言った。

「また会える……?」
添島が言うと、娘は「うん!」と元気に言った。

うなだれていた添島は、それを聞いて満面の笑みを娘に向けた。
娘はハッとした。
添島の目に涙がにじんでいたからだった。
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お客様N(4) | 成田の半生

成田は女子大生の股間をむさぼるようにしゃぶり続けながら、手を上に伸ばす。
由美のDカップの乳房を揉みくちゃにしてその弾力を存分に味わってから、乳首をいじる。

由美の嬌声はますます大きくなる。
「いや、だめ、ほんとに……」

しかしその興奮の真っ最中、成田は急に興味を失ったように行為をやめた。

女子大生から手と口を離し、のっそりと身を起こす。
床に転がっていた暗視ゴーグルを手探りで見つけ、そこに付いているマイクに小声で「終わり」とつぶやく。
それを聞いて、隣室にいる秘書の玲子が指示をしたのだろう。
暗闇の中、また添島と女子大生の絡み合うチュパチュパという音が響く。
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お客様N(5)|1年ぶりの感覚

成田は陰鬱な気持ちで、ソファに体を沈めた。今日も失敗だった。
それなりの性的興奮をし、夢中で女子大生の身体をまさぐったものの、勃起はしなかった。

「……一応DVDも用意してありますが、ご覧になりますか」

重い空気に耐えかねたように、秘書の玲子が言った。アダルトDVDのことだった。
様々なジャンルのアダルト映像を見ることで、何かが成田の中枢神経を刺激するかもしれない。
それを期待して、時々見ていた。
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お客様N(6)|SMプロジェクト

成田は玲子を急いで呼び出し、流れている映像について尋ねた。

「こりゃ、なんちゅうもんよ」

「は、いわゆるSMと言われるものかと存じます」

「SMか。ありゃ叩いたり縛ったりするんじゃないんか」

「はい。私もくわしくは分かりませんが……こういうプレイもSMの一種だそうです」

「まあええわ。何にしてもこれを見て、わしの体が反応した。久しぶりに」
玲子は目を見開いた。

「は……! おめでとうございます」

「まだ大してめでとうはないわ。『半だち』にもなってない。しかしSMいうもんを、じかに見てみたい。お前ちょっと、計画立ててくれんか」

つまり、成田が別室で観賞するプレイをSMでさせてみたいということである。
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お客様N(7) | 文江

先日女子大生が来た時と違うのは、部屋の真ん中がカーテンで仕切られていることだった。
その向こうにはベッドがあるのだが、文江に警戒させないために隠している。

部屋に入った文江は、その内装とインテリアの豪華さに目を丸くしている。

「ほんまにええんかね……勝手に家に入らせてもろうて。旦那様に見つかったら怒られるんじゃないかね」

「ハハハ。社長は今、大阪なんですよ。いつもわざわざ山の上まで来ていただくので、お礼をしたかっただけなんです。そんなに気にされないで下さい」

添島が例によって、晴れ渡った青空のようなカラリとした笑顔で言った。
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お客様N(8)|羽根愛撫

「ゆ、祐二くん、こんな……」

「大丈夫。僕を信じて」
添島は文江の耳元で言った。

文江の手足を縛ったロープは、それぞれがベッドの四隅につながっていた。
文江は、うつぶせで脚を開いたまま動けなくなった。
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お客様N(9)|ローター

仰向けになった文江の顔に、添島はグッズ「虜X 目隠し 豹」をつける。
名前の通り、目隠しである。

「いやっ祐二くん、恐い」

「恐いの……? 文江さん。さあこれから、どうなるんだろうね」

添島はアダルトグッズ「nemo-R (ネモ-R)」を取り出す。
ピンク色で親指ぐらいの、ちょうどソーセージのような感じのローターだ。
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お客様N(10)|女王エリカ到着

成田の観賞のためのSMプレイ・第一回目は終わった。

「いかがでしたか」
玲子が成田に聞いた。

「おう。悪うない」

「それでは、この計画を続けてよろしいのですね」

「進めてくれ。しかしこれはまた、ようしゃべるプレイじゃのう」

「はい。SMでは、言葉による責めが大きなウェイトを占めると聞いております。それから今日はお相手の方が不慣れですので、ハードな事は避けたのだと思います」

「ほう……なるほどな。で、次は逆のパターンで、女が責める方か」

その、責める方の女が数日後に到着した。
東京で現役の女王様をやっているエリカ(推定26歳)である。
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