7.躾

junkyoju7麻耶は立ち上がり、机を回って前に立つと
「大丈夫かしら?」と隆治の顔を覗き込むように聞いた。

「だ、大丈夫です。もう、平気です」

隆治は吹き出てくる汗を拭おうともせずに、
気を引き締めて自分のペニスを襲う鋭い痛みに耐えていた。

それを見た麻耶は「そう、大丈夫そうね」と
机の上にある資料でパンパンに膨らんだファイルを隆治の方に押しやる。

「これ、次回のゼミの資料だけど眼を通してくれる?」

麻耶はファイルを開く。
後ろの学生たちには見えることは無い。

そのファイルには先ほど脱いだと思われる摩耶のパンティが挟まっていた。

精密な刺繍に飾られた小さな布地のクロッチ部分には
まるでナメクジが這ったような粘液がベッタリと張り付いていた。

隆治の鼻腔に摩耶の秘密のフェロモンの香りが忍び込んでくる。

たちまち、股間が反応しそうになるが、
鋭い痛みからの条件反射と卓越した精神力で膨張を抑える。

学生たちに背を向けたまま、
麻耶は二人だけの時のみに見せる眼で隆治を見つめた。

そして小さな声で
「えらいわ。よく我慢して」
と囁くようにつぶやいた。

誰にも気がつかれにように
摩耶のぬくもりが感じられる生地を素早くポケットに仕舞う隆治に
「あとで私の研究室に来てね」と伝える摩耶だった。

「では、本日の教室はここまでにしましょう」

摩耶の声で全員が立ち上がり、
「ありがとうございました」と礼を述べる。

立ち去る麻耶を見つめている隆治に彩花が近づいてきた。

「あの、本当に大丈夫ですか?」と心配そうに尋ねる彩花に
「もう、なんともないですよ。ご心配をかけてすみません。ちょっと腹が痛かっただけです」と
机上のファイルやノートを整理しながら隆治は応える。

「それで、お邪魔じゃなかったら、この後でお茶でもご一緒できませんか?」

思い切って切り出したのだろう、顔を赤くしてそう聞く彩花に
隆治は素っ気なく「このあとは資料整理もしないと……。悪いけどまた今度にしてくれる」と
顔も向けずに答える。

「お忙しいところ、変なお誘いしてすみません」

あっさりと断られて傷ついたのだろうか、
下を向いてそのまま教室を飛び出していく彩花だった。

外からは「あれ?彩花さん、どうしたの?」と
飛び出してきた彩花を心配するような声が聞こえる。

(彩花さん、僕はあなたが思っているような人間じゃないんです。あなたの望む世界には僕はふさわしくないんです)

自分の好む世界の居心地の良さは誰も理解出来ないと信じている隆治は
ため息と共に教室を出て、摩耶の個人研究室に向かった。

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